野外山岳部

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山によせて
                             富松 良夫
ひかりの箭(や)をはなつ朝
山は霧のなかに生まれ
むらさきの山体は
こんじきの匂ひをもつ

あたらしい日を信じ
あたらしい世界のきたるを信じ
さらに深い山の発燃(はつねん)を信じ

にんげんの哀(かな)しさも
国の面する悲運のかげも
世界の精神的下降の現実も
わすれはてるわけではないが

いまこのあざやかな
朝のひかりにおぼれ
悠々と非情の勁(つよ)さにそびえている
山に学ぼう

 山岳部の活動は夏休み合宿と月に一度の2000㍍級の月例登山です。それに向けての準備として学校近くの矢倉山(311㍍)へのランニングと筋トレを行っています。
 昨年度の夏合宿は寸又峡ヘリポート広場でテント泊。南アルプス深南部、寸又峡にある前黒法師岳(1943m)と沢口山(1425m)でした。3日間とも昼間は晴れ、夕方より霧雨の天気でした。真夏とはいえ、標高が高いため昼間は涼しく快適でした。1日目は学校を出発し、幕営地に到着。テント張り。温泉に入った後、雨のためテント内でカレーの夕食。消灯。
 2日目は4時起床。朝食。この日の山登りは標高差1300㍍。登りが続く9時間の歩きである。林道出合までは山蛭がいる。いつの間にか靴や服の中に入り込んでいた。痛くも痒くもないため,血が滲んでいるのを見て初めて気がつく。
 前黒法師岳の頂上は樹林帯で展望はない。ただ苦労して登ったという山である。3日目の沢口山では昨年登った朝日岳を見ることができた。この日も標高が下がり、温泉地が近くなると山蛭にやられた。しかし,山登りの良さは苦労して登り頂上に到着した時の達成感と満足感にある。そこまで登った人だけが感じることができる。
 夕方自炊の後、遥か遠くの町の明かりを眺めながらのテント泊は楽しい経験である。
 安倍川奥の2000㍍級の山の頂上は下界とは気温が12度℃ほど低くなり、夏は涼しく、冬になれば静岡県でも積雪50㎝以上になる。
 初めて登った時は苦しかったが、練習を続けるうちに持久力も付いてくる。最後まで登り切ったら、毎日の生活では得られない充実感が得られます。多くの新入生の入部を期待します。

平成28年度 月例山行
 5月 千葉山(柏原幕営)
 6月 蕎麦粒山・高塚山
    山伏
 8月 前黒法師岳・沢口山
 9月 愛鷹山(雷雨により撤退)
 10月 愛鷹山(黒岳・越前岳・呼子岳) 
    大谷嶺・八紘嶺
 2月 十枚山
    山伏
 3月 毛無山

(2017年4月記)

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